対談「刀剣五行論をめぐって」
尾上卓生(岐阜県技術アドバイザー、 鉄の歴史村地域 振興事業団副理事長)
黒岩重人(陰陽五行研究家)
司会・朝吹美恵子(黒鉄会)
刀剣五行論は1850年ごろに、土佐出身の刀鍛冶によって書かれた物ですが、当時はおびただしい数の刀が作られていた時代でした。著者は刀鍛冶として修行を積み腕を上げ、京都にまで上った人物ですが、刀の作り方を精神論から説き、炭焼き、たたら製鉄、作刀と、その論を五行の理にそって展開しています。ここで用いられている「五行」は論述の方法としては、明治時代に入るまで基本となるものでしたが、現代では理解しにくいものとなっています。今回の第三回たたらサミットでは、陰陽五行研究家の黒岩氏と、刀に造詣が深い尾上氏のお二人から、この「刀剣五行論」を語ってもらいます。
●対談内容
1、刀剣五行論の生まれた背景
-------- 思想的な背景(黒岩)
-------- 刀鍛冶としての背景(尾上)
2、五行の「気」について(黒岩)
3、ここに書かれている鍛冶の技術、精神論について(尾上)
4、「五色の変」を取り上げて
-------- 実際の刀との関連(尾上)
--------- 五行の考え方から(黒岩)
●今回の、第3回たたらサミットのために「刀剣五行論」を現代語訳にしてもらった全文を資料集(当日発売)に掲載します。
(訳者プロフィール)
黒岩重人(くろいわしげと)
長野県南安曇郡豊科町に生まれる。 法政大学文学部史学科卒業。 故景嘉師に師事して、易経及び陰陽五行思想を学ぶ。 現在、京都陰陽五行の会・易経を読む会・命理の会など、「易経」及び陰陽五行に関する諸講座の講師を勤める。