北硫黄島


 北硫黄島は2.1×3.3 km,最高海抜792 mを有し,南北に延びた外形をなし,湾の出入りがなく,島の周囲に海食崖が発達する島である.一部を除いてほぼ急峻な地形となっており,海岸沿いに礫浜がわずかに発達するのみである.石野村や長根鼻付近にやや顕著な崖錐地形が発達する.明瞭な火口地形はない.

 巨大な海底火山の頂部に位置し,中期更新世後半ないし後期更新世の北硫黄島火山噴出物から構成される(中野・古川,2009;中野ほか,2009).南海岸には新期の崖錐堆積物が,東海岸にはやや古い崖錐堆積物が認められるほか,海岸沿いにわずかに礫浜堆積物が分布する.

 北硫黄島火山は玄武岩質の薄いアア溶岩流及び火砕物(凝灰岩,火山礫凝灰岩,凝灰角礫岩)からなる陸上噴出の成層火山である(菊池・今泉,1984).海食崖ではそれらを厚さ2 m以内の160本を超える多数の放射状岩脈が貫いている(中野・古川,2009).火砕物はサージ堆積物,転動堆積物,土石流堆積物及び降下火砕物などである.島の南部で認められる不整合の存在から,北部を中心とした古期火山と南部を中心とした新期火山に区分されているが(菊池・今泉,1984;中野・古川,2009),両者間の時間間隙は不明であり,一部を除いて不整合を挟んで岩相に大きな変化はない.また,古期火山では北東部の変質帯を中心とした谷地形が(石野村付近),新期火山では山頂付近の凹地形が火口として推定されているが,明確ではない.岩石はソレアイト系列の玄武岩である(中野・古川,2009).

 

北硫黄島の年代としては14万±5万年が得られました(中野ほか,2009).北硫黄島の地質については中野・古川(2009、地調研報、vol.60)に詳しくまとめられています.2005年,東京都小笠原支庁自然公園係の調査に同行させていただきました.


東方海上より見る北硫黄島全景。南側山頂部は雲の中。

 

2隻の漁船(第七貴丸と第八潮丸)で向かう。父島を真夜中に出発し、北硫黄島にせまる。

 

まずはボートで固定ロープ張のためのアンカー打ちに向かう。

 

上陸翌日の朝焼け。いよいよ本番。

 

無数の岩脈が露出する長根岬の崩落崖。

 

西岸にはわりと広い礫浜が続いていた。鯨の骨があった。

 

密集する岩脈。

 

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